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純潔のマリア 1 (アフタヌーンKC)
純潔のマリア 1 (アフタヌーンKC) (JUGEMレビュー »)
石川 雅之
『天使と教会と百年戦争に、魔女は(処女だけど。)ケンカを売った。』←帯より引用

説得力と深みのあるファンタジー。時代考証からなる世界観が素晴らしくて、引き込まれる事請け合い!
ゆんるい(私的にツボ)ギャグパートも色々と考えさせられるシリアスパートも素敵。言葉選び&遊びがその独特のノリに拍車をかけていて、更に引き込まれる事請け合い!

なんて語りつつ…ぶっちゃけ通信兵とマリアのあれこれがストライク通り越してターキー。二人の今後に大期待…!

アルテミス(使い魔白フクロウ♀)ぬいぐるみ付き限定版も発売中。
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注意一秒妄想一生

アルスト片割れ結原の呟き場兼妄想書き殴り場。
基本FFCC置き場(MOTHER2、他FFも有)で、今は純潔のマリアにもお熱?
ログはリンク先の本家(アルストロメリア)に収納中。
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切り捨てる未来
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    ネスポラなのかどうなのか、微妙な感じの小話です。
    ポーラ視点もネス視点も入り混じりの、シリアス風味?
    MOTHER2小話では珍しく、ここで初出になります(笑)



    読んでやろうじゃまいか、という方は続きからどうぞvV







     差し出した手を振り払われた、泥棒には泥棒の意地があると。
     ライフアップだってヒーリングだって直ぐに出来た。
     無理やりにでもその手を掴めば良かったのかも知れない。
     そうすれば彼は、助かったのかも知れない。
     ……今もあの広場に行くと、思い出す。

    (彼の姿が見当たらなくて、――寂しくて堪らなくなる)









     スカラビで迎えた夜。
     皆の命を護る暖を守る為に、任された火の番。
     その、命の揺らめきを模したかのような赤い炎を見つめながら。
     何をするでもなく少年は、
     手身近な砂を、掴んでは離し、掴んでは離し、
     それを延々と、繰り返す。

     ぽろぽろと、少年の掌から砂が零れ落ちていく。
     さらさらさらさら、ぽろぽろぽろぽろ。

    「ネスの手は、二つしか無いわ」
     彼と同じく番を任され、
     寝ずに周囲の気配に心を砕き続けている少女は、
     静かに辺りを見やる視線はそのままに、ぽつりと唐突に呟いた。
     寝静まった仲間を起こさぬように潜めた声で独り言のように、
     けれど他でもない、小さな焚き火を見つめ続けている彼に向けて。
    「指の隙間から、どうしても零れていくものもあるわ」
     その砂や水のように、…そして彼の人のように、と、
     彼女の心の声が聴こえた気もしたが、
     少年はいっかな反応を示さなかった。
     口を噤んだ彼女は、己よりも強いPSI能力を持つ彼女は、
     己のように受信しか出来ぬテレパスではなく、
     送信も難なくこなせるけれど。
     そうして、彼女は時折心の中でだけ、
     言葉を投げかけて来る時もあるけれど。
     わざわざテレパスを使わずとも悟られているであろう言葉を、
     敢えて形にする程程冷たい人では、けしてないのだから。
     無言の優しさに甘えて、何も聞こえない振りをする。

    「全てを掴めたら、その価値も薄れてしまわないかしら?
     全てを手に入れられないからこそ、
     手にしたものが愛しく思えるんじゃないかしら?」

     ぽつりと落ちた少年の涙に気付かない振りをして、
     少女も己の役割を全うし続けた。
     二人に定められた番の刻限が、近付いてくる。
     それでも周囲に魔物の気配は、一向に感じられなかった。







     全てを終えて。
     次元の渦に飛び込む猗爿瓩悗函⊆蠅鮑垢圭个修Δ箸靴董
     それでも、そのほんの一瞬に、悩んで迷って。
     少年はぎゅっと、少女の手を掴んだ。






     大切な友人達と別れ、そして二人で辿る帰り道。
     ふと会話が途切れた時、
     少女はすぅと息を吸ってから、少年に呼びかけた。

    「ねえ、ネス」

     自分の数歩前を行く彼に己の顔は見えていない、
     それは分かっていたけれど。
     呼びかけた声に、
     繋がれた掌が揺れたような気がして、少女は微笑む。
     怯えるように、問いかけを恐れるように、
     竦み上がってしまった小さな身体に教えてあげたい、と少女は思う。
     己の傲慢さを。

    「あなたは、悔いているのでしょう?」

     ぴく、と、少年の、少女の手とは直接繋がっていない左腕が、
     それを支える左肩が、僅かに揺れた。
     心構えるように、待ち望むように、
     咎めを求める小さな身体を抱きしめてあげたい、と少女は思う。
     彼の為ではなく、それこそ傲慢な己の願いのままに。

    「でも、私はそれが、…嬉しいわ」

     少女の、それこそ一切の迷いも含まない呟きを受けて。
     勢いよく振り返った少年は、とても、傷付いた顔をしていた。






    (間に合ったかもしれない?)
    (間に合ってどうする、あいつはそれを望んでたのか?)
    (…分からない)

    (救えたかもしれない?)
    (あいつは自分の望む時空に飛び立った、何からあいつを救う?)
    (…分からない)

    (どうしたら良かったのか分からない)
    (これで良かったのか分からない)



    (でも、僕が、あいつに…ポーキーに、
     手を差し伸べなかった事だけは、――確かなんだ)






     言葉を失った少年を抱きしめて、少女は呟く。

    「全ては掴めないのだから、全ては望めないのだから、
     ……何かを選択するしかないんじゃないかしら」
     あなたが他の帽子ではなくその赤い野球帽を選ぶように、
     私は他のアクセサリではなくこの赤いリボンを選ぶように。
    「それは、何かを切り捨てていく事でもあるのね」
     あなたが他の帽子…例えば麦藁帽子を被らないように、
     私が他のアクセサリ…例えばカチューシャを使わないように。



    「ねえ、それは、悲しいことかもしれないわね。
     でも、それが、きっと当たり前の事で。
     そして、とても……素敵なことなんじゃないかしら」



     ねえ、どうか嘆かないで?



     私は嬉しいの。
     あなたに選んでもらえたことが、嬉しいの。
     傲慢にも、あなたに切り捨てられたものたちを、顧みる事もせず。
     私は喜びを覚えてる。

     私は嬉しいの。
     あなたがそうやって、選べなかったものを嘆いてくれるなら。
     いつか私に、爐修瞭瓩来ても構わないと、心から思えるから。
     私は幸せなの。

    (そんなあなたに出会えたことを、
     悔いたりしないと誓えるから、――嬉しいの)



     だからねえ、どうか自分を責めないで?









     選択肢というものは、いつだって悲しみを伴うものだけれど。
    (選ばれなかった、切り捨てられた何かがあるけれど)



     ――でも、だからこそ、貴いものでもあるんじゃないかしら?








    あなたが切り捨てる未来

    がいつか含まれても


    私はきっと、甘受出来るでしょう。
    (私はそれでもきっと、幸せだと思うでしょう)






    END  






    ほんとに、ライフアップもヒーリングも、してあげたかった…
    (ポーキーも、うん、何とか止めてあげたかった…)
    でも、そういう風に、濁したようでその実濁さず犹爿瓩蘯茲螳靴
    MOTHERだからこそ、好きなんですけれどもね…!


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    | 小話/MOTHER2 | 23:54 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









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